街にて

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アレン・ジョンストン。 18歳になったばかり。 心優しい好青年でブルネットがとても印象的だ。 アレンは、親友のランスロットと共に買い物に行く途中、赤褐色の髪をした女性・・・シンディ・クオリアと顔を合わせた。 数日前の舞踏会で階段から落ちそうになったところを彼が助けたのだ。 先ほども顔を合わせたと言うよりも、彼女の乗った馬に蹴られそうになったのだが。 彼女と会うたびに、お転婆ぶりを披露させられている。 そんな彼女を思い出し、彼はクスリと笑った。 「なにを笑ってるんだ?」 隣を歩くランスロットにそう言われて我に返った。 ランスロット・サプスフォード 19歳。 長身で、アレンと並ぶとその体格までもがずいぶん良いことに気が付く。 アレンの幼なじみだ。 「あ、いや・・・ちょっとね」 アレンは少々ごまかし気味にそう言った。 ランスロットは軽くため息をつく。 「・・・そういや、さっきの女は知り合いか?」 「まぁ、ね。ほら、おまえも行っただろこの間の舞踏会。の家の子だよ」 「クオリア家か・・・」 「うん・・・」 親友としても見慣れないアレンの表情。 「で、お前はどうした?」
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