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階段を上り終えると、花とプレゼントの包装紙やリボンで溢れかえった様子の部屋が二部屋。
「・・・今日もずいぶんだな」
「ホントに・・・すごい数」
あきれ顔のランスロットと苦笑しているアレン。
2人はため息をつきながらそれぞれ部屋に入った。
「アレン、終わったか?」
アレンの入った部屋の入り口からランスロットが言ったが、見たところはじめに見たときと何ら変わりない。
「もう終わったのか・・・」
「まぁ、お前のが量が多いからな」
「本当に、アレンさんはモテますねぇ」
クスクスとカーデル。
「2人とも、他人事だと思って・・・」
少々膨れ面になる。
「手伝ってやろうか」
ランスロットはそう言いながら近くにあった桃色の包装紙に赤いリボンとレースで包装された手のひらサイズの比較的派手な箱を手に取った。リボンに挟むようにしてカードが差し込まれている。
「『美しい貴女に美しい宝石を贈ります』・・・だとよ」
ランスロットがカードの内容を読み上げるとアレンは肩を落とした。
「またその人か、前も届いたんだよ」
「宝石がか?」
「いや、・・・子猫」
それを聞いてランスロットが吹き出した。
「子猫!?『子猫のような貴女に』って?」
「・・・うん」
ちょうどその時に白い子猫がランスロットの足に擦りよってきた。
「こいつか・・・」
「ええ、アレンさんが飼えないというので私が預かっているんですよ」
カーデルが子猫を眺めながら言う。
ランスロットが子猫を抱き上げた。
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