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「・・・」
「・・・」
自己紹介も終えて互いに黙り込んでしまった。
「あの・・・シンディさん」
沈黙を破ったのはディックだった。
「その、最近「ロミオとジュリエット」って言う劇やってるの知ってます?」
「あ、えっ・・・はい!」
いきなりの質問にあわてて答えた。
「今日、友人に台本を見せていただいて・・・」
「そうでしたか。その・・・興味あります?良ければ一緒に見に行きませんか?」
「え!?」
「すみません。いきなり」
申し訳なさそうな声でディックが言った。
「いえ、あの・・・私も1度見ておきたいと思ってまして」
「ほんとですか!!?」
目を輝かせながらディックはシンディの手を握った。
反射的にシンディは手を振り払ってしまう。
「あ、すみません。」
ディックも慌てて手を引っ込めた。
「じゃあ、あの明後日の夕方にお迎えに上がります」
「はい」
喜ばしい顔をしてディックとシンディは別れた。
「・・・どうしよ・・・行くって言ったよ・・・」
シンディは再び一人になり冷や汗をかいた。
「シンディー!何処にいるのですかー?」
マリアの声がした。
「マリア!!」
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