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「シンディさん、大丈夫ですか!?」
ディックも慌てた様子でシンディの元にやってきた。
「はっ・・・はい」
ディックの問いに答えてから、助けてもらった青年の方に振り返った。
シンディとディックの様子を見て立ち去ろうとしている。
「あの!ありがとうございます」
青年は微笑みながら頭を下げた。シンディも慌てて頭を下げた。
「・・・」
「シンディさん・・・今のは・・・」
「え?あぁ、助けていただいたんです、今の方に」
「そうでしたか」
ディックも胸をなで下ろした。
「?シンディ・・・顔色が良くないみたいですわ」
「本当に大丈夫ですか?」
マリアとディックが心配している。
「大丈夫・・・ただちょっと息苦しくて・・・」
シンディは両手で胸を押さえ込んだ。
「・・・」
「きっと倒れた際に胸を打ち付けたのでしょう。おやすみになってはいかがですか?」
ディックが背中をさすった。
「わたくし、お部屋にお送りいたします」
「・・・早くお元気になってください。それで明後日には一緒に・・・」
そう言うディックに苦しそうな顔で会釈をした。
「また明後日・・・」
小さい声でそう告げて、マリアに手を引かれてダンスホールを後にした。
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