第二章 男

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彼女は美しい。 細く、まっすぐ伸びたセミロングの茶色に輝く黒髪。 健康的でありながらも、透き通るようなシミもニキビもない白い肌。 チークを振ったかのように赤い頬。 血色の良い赤い唇。 切れ長で意思をしっかり持っているようでありながら、どこか憂いを秘めた茶色の瞳。 今時の若い女性ならではの細く整えられた眉。 右目の目尻にぽつんと佇むほくろ。 すべてが美しい。 僕は彼女を愛している。 彼女がどんなにオカシくても愛しているんだ。
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