第二章 男

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彼女は人間になりたがっている。 いや、正しくは"普通の"人間に。 オカシいだろ? 僕や、彼女の周りの人間には、彼女は"普通の"女の子にしか見えないんだ。 でも彼女は違う。 彼女は髪も瞳も肌も……血液さえも、色彩感覚がズレてしまったらしい。 肌は紫、髪は黄色。 瞳は赤色で、血液は緑。 まるで幼稚園児がした塗り絵のような色彩感覚で、彼女は塗り固められている。 彼女は"美智"を否定して彼女になった。 そして 人間でさえなくなった。
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