2人が本棚に入れています
本棚に追加
私は育った。
すくすく、すくすく。
温和な母と、真面目な父。
2人の兄と、3年遅れて1人の妹に恵まれた。
幼稚園の頃は無邪気だった。
こんなに楽しい毎日が、一生続くものだと信じ続けていた。
母と父に挟まれて毎晩寝ることがとても楽しみだった。
小学生になって、勉強を始めた。
私は国語が大好きだった。
数多ある漢字、ひらがなの曲線。カタカナの直線的な描写。
すべてが美しかった。
なにより、私は作文が得意だった。
初めての授業参観の日、「わたしのお母さん」と題された作文を書いた。
私は周りの子とは違って、母を褒めちぎったりは決してしなかった。
その代わりに母が毎日していることの偉大さ、大変さ、私への愛情の大きさを描いた。
先生に褒められたっけ。
最初のコメントを投稿しよう!