第一章 私

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小学4年生にもなると、私はアイデンティティを確立し始めていた。 芯から曲がったことは嫌いだった。 ちょっとした嘘なら許せたけど、暴力や誹謗中傷は許せなかった。 小学生男子特有の女子をからかう言葉も大嫌いだった。 だから、毎日口喧嘩を売っては相手を泣かせていた。 そんな、少なくとも多感だったその日々が、崩れた。 ‥‥…2006年、10月6日。 父と母が、離婚した。
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