第二ラウンド・溺愛理事長

9/9
前へ
/38ページ
次へ
 肩透かしを食らうような気分だった。  だって、誰もが「抱きたい」と思う美少年の恋人は、普通「タチ」ではないのだろうか?  …もっとゴツイのを連れてくるのかと思っていた。  今にも折れそうな少年を見、私は安堵する。この程度なら、たやすく潰せるだろう。少し脅すだけで逃げかえるだろう。聞かないようであれば、知り合いに頼んで、どこかに行ってもらう、のもいいかもしれない。  光は私のもとに返ってくる。  ああよかった。  そして、誤算が起こる。  光の恋人、夢亜という少年に、心惹かれてしまったのだ。光以外に興味を持つなんて初めてだ。  そこでふとおもう。いっそ三人で……     で、今絨毯にうつ伏せで埋もれているわけだ。  久しぶりに受けた光の拳は、かなり痛かった。  うんうん、成長したなぁ~。  まぁ、あの子なら光を任せられるかもしれない。光を譲ることができるかもしれない。  私は、知らず口元に笑みが浮かぶのを感じていた。 (さぁ、目指せ甥離れ)
/38ページ

最初のコメントを投稿しよう!

632人が本棚に入れています
本棚に追加