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肩透かしを食らうような気分だった。
だって、誰もが「抱きたい」と思う美少年の恋人は、普通「タチ」ではないのだろうか?
…もっとゴツイのを連れてくるのかと思っていた。
今にも折れそうな少年を見、私は安堵する。この程度なら、たやすく潰せるだろう。少し脅すだけで逃げかえるだろう。聞かないようであれば、知り合いに頼んで、どこかに行ってもらう、のもいいかもしれない。
光は私のもとに返ってくる。
ああよかった。
そして、誤算が起こる。
光の恋人、夢亜という少年に、心惹かれてしまったのだ。光以外に興味を持つなんて初めてだ。
そこでふとおもう。いっそ三人で……
で、今絨毯にうつ伏せで埋もれているわけだ。
久しぶりに受けた光の拳は、かなり痛かった。
うんうん、成長したなぁ~。
まぁ、あの子なら光を任せられるかもしれない。光を譲ることができるかもしれない。
私は、知らず口元に笑みが浮かぶのを感じていた。
(さぁ、目指せ甥離れ)
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