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「な!?おい!そこの小学生!今すぐ戻れ!!」
「え…?嘘…」
だがその少女に一平の声は届いていない
しかも運の悪い事にトラックがこちらに向かって走ってきていた、だがそのトラックは少女が見えて居る筈なのにスピードを落とそうとしなかった
(居眠り運転か!?)
「コンチキショウ!!」
「!?一平!!待って!!」
冷華の制止も聞かず一平は走っていた、その少女を助けるために
少女は漸く気付いたらしく、目を見開いて止まっていた
「間に合えぇぇっ!!!!」
一平が少女を抱き抱え、飛んだ瞬間に非情にもトラックが一平達の居る場所を通過した
「ッ!!」
冷華はとっさに手で目を隠した
しかし、トラックが一平達を引いた音も、一平達がトラックを躱して、アスファルトに着地した音も聞こえない
怪訝に思った冷華が手をどけて見ると、そこには誰にも居なかった
「…え…?一…平…?」
周りを探してみるもやはり姿は見えない
「なん…で……」
居ても立っても居られなくなった彼女は一平の鞄を持って走りだした、彼の家へと…
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