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まさかと思い、肉が抉れていた左脚の包帯を外す。予想通りそこには傷ひとつない、白い肌だけが覗いていた。
(何だこの回復力……)
有り得ない。その一言しか出て来ないが、確かに彼女の怪我は治っている。
また今気付いたが、左の鎖骨部分にある印も見たことがない。ただ黒い文字で「2」とだけ刻まれている。
「お前、これが何かわかるか?」
朔夜は少女の鎖骨を指差して尋ねる。少女は朔夜に言われて初めて気が付いたのだろう。
「何?これ」
不思議そうに鎖骨を触りながら質問を返して来た。
「いや、こっちが聞いてんだが」
女には慣れているはずだが、この少女はどうも調子が狂う。
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