Act.1

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 まさかと思い、肉が抉れていた左脚の包帯を外す。予想通りそこには傷ひとつない、白い肌だけが覗いていた。 (何だこの回復力……)  有り得ない。その一言しか出て来ないが、確かに彼女の怪我は治っている。  また今気付いたが、左の鎖骨部分にある印も見たことがない。ただ黒い文字で「2」とだけ刻まれている。 「お前、これが何かわかるか?」  朔夜は少女の鎖骨を指差して尋ねる。少女は朔夜に言われて初めて気が付いたのだろう。 「何?これ」  不思議そうに鎖骨を触りながら質問を返して来た。 「いや、こっちが聞いてんだが」  女には慣れているはずだが、この少女はどうも調子が狂う。 .
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