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どっちみち記憶喪失の少女から得られる情報などない。
面倒事は嫌いだが、相手が女なら別だ。少しの面倒くらい許そうと朔夜は自分に言い聞かせる。
一先ず朔夜は、部屋の隅に用意して置いていた袋を彼女に渡した。
「何?」
「着替えだ。俺は大歓迎だが、その恰好じゃ歩けないだろう」
「……え?」
ほぼ全身に包帯が巻いてあるとはいえ、下着しか身につけていない少女。しかも至近距離に名も知らぬ男。
「────っ!」
再認識した現状に、少女の顔は瞬時に青くなり朔夜を部屋から追い出した。
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