Act.1

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 朔夜は驚いて弾かれた自分の手と少女を見る。 「……っ………」  少女は朔夜を映しているのかいないのかわからない、その瞳を恐怖の色に染め、華奢な身体を竦ませ小さく震わせる。  しかし朔夜はほんの一瞬だったが、少女が懐を探ろうとした動きが気になった。  あの動きは体に身についた行動だ。彼女が何らかの訓練を受けていたと見て取れた。 「何もしねえよ。とりあえず食べろ」  朔夜がシチューをベッドの上に置く。 「これ……?」  少女が朔夜を窺うように見るので、朔夜は黙って頷く。 「…………」  そして恐る恐るシチューの入った皿に手を伸ばした。 .
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