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僕が物心ついた時からずっと"家族の一員"としていたシロ……
そのシロが冷たくなって帰ってきた……
息もしていない……
鼻先をクンクンさせない……
撫でても冷たいだけのシロ……
その変わり果てた姿に僕の心には悲しい気持ちが溢れ出てきて、記憶の中で一緒に駆け回った日々が蘇っていた。
だけど、不思議と涙は出てこなかった……
泣いても逝ってしまったシロは帰ってこない……
今は現実を気丈に受け止めようとしていた……
でも、それよりもシロに対してここまで生きて一緒に居てくれた事についての感情の気持ちの方がいっぱいだった……
そして翌日、ペットの葬儀をしてくれるお寺でシロの葬儀をして火葬をした……
それから帰ってきた時にシロの居ない檻を見て実感が強くなる……
もう呼んでも来てくれないと言う寂しさに胸がいっぱいになった……
だけど、それは時間が経つに連れて薄れていって、檻や残っていたドッグフードは捨てられ、いつしかシロが居た痕跡は写真と火葬の時に持ち帰った牙だけになった……
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