大切な家族"シロ"

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でも、そんな僕と違ってシロはいつもと違う雰囲気に戸惑いを感じたのかキョロキョロと何回もこっちの方を振り返ってくる…… まるで『二人で大丈夫なの?』と言いたそうに…… その事もあってか、いつもならグイグイとリードを引っ張って先を急ぐシロもこの日だけは大人しく僕達に歩幅を合わせるようにゆっくりと散歩をした。 そのおかげで僕達子供だけの初めての散歩は大成功で、それ以来僕達の散歩する回数は少しずつ増えていったが、その代わり慣れてきたシロはお父さん達の散歩と同じようにリードを引っ張るようになって、僕達は大変な思いをする事が多くなった。 だけど、月日が流れるに連れて、僕の体も次第に成長してきて、いつしかシロのリードを引っ張る力を片手で引き戻せるぐらいになってきた。 その頃からだろう…… 僕がシロから距離を取るようになったのは…… 理由なんて簡単…… ただ散歩に連れていったり、エサをやったりとシロの世話を見るのが面倒になっただけ…… 悪く言うなら"飽きた"だけだった…… .
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