大切な家族"シロ"

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例えるなら反抗期に入った子供のように、家に帰ってきた僕に対して嬉しそうに尻尾を振るシロを僕は相手にしなかった…… そんな日々が何年も何年も続いて、いつしか僕は高校生になり、シロはもう10歳を超える老犬になっていた…… その頃になると、シロは前以上に1日のほとんどを眠って過ごすようになって、僕自身は学校や部活で朝早くから夜遅くまで家に居ない事が多くなった。 そのせいで大体がシロが起きている時には僕が居なくて、僕が帰ってきた時にはシロは眠っているという感じで僕とシロの接点はほとんどなくなってしまっていた…… そして、僕の中ではシロの存在が薄れていった…… そんな中、一つの転機が僕達に訪れた。 それは今まで外の犬小屋で飼っていたシロを家の中で飼う事…… 老犬になったから寒さや暑さに耐えれないからと言うことだったが、僕には不安があった…… シロは今でも僕に懐いてくれるのだろうか…… 今までほったらかした人間が言うのはどうかと思ったが、僕の中では子供の頃に兄弟のように一緒に駆け回った日々が蘇っていた。 そして、心のどこかで願ったんだと思う…… あの頃のように一緒に居たいと…… .
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