大切な家族"シロ"

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そして、冬の寒さが厳しくなったある日、シロが初めて家の中に入って一緒に過ごす事になった。 その時は玄関口の下駄箱の横に置いた小さな檻の中に入れて寝かせていたが、それ以外の時は大体が茶の間で一緒にテレビを見たり、横になったりと思っていた以上に家の中と言う雰囲気の違いに戸惑う様子はなかった。 いや、もしかしたらシロは今までずっと外から家の中の灯りを見て寂しい思いをしていたのかもしれない…… 夏の暑い日も冬の寒い日も…… だから、こうしてその灯りの下で家族と一緒に過ごせるのが嬉しかったのかもしれない…… そして、それ以上に驚いたのは今まで世話や遊んだりする事が少なかった僕に対して尻尾を振りながらそばによって来くると、そのまま寄り添うように横になった事。 まるで自分の存在をアピールするかのように…… そんなシロに僕が久しぶりに頭を撫でようとすると、その手を鼻をクンクンさせながら鼻先でチョンと触れる子供の時に僕が恐る恐る撫でていた時と同じような反応をして、僕が頭を撫でると嬉しそうに尻尾を振らせた。 .
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