戦いへの序章

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空が真上に広がっている。 青く美しい大空が、雲1つない大空が・・・。 しかし、その壮大な光景のすぐ真下にいる何人かの人影は誰1人と見ようともしない。 見ようと思っても、見る余裕や見ようとすることができないのだ。 「ハァハァ・・・」  その数人の中で立っている2つの人影の1つが荒く息をついている。 少しでも息を整えようとしているのだが、なかなか整えることができない。 しかも、立っていることがやっとのような様子だった。 手に持った使い慣れた剣のいつもなら何も感じなかった重さが今ではずっしりと感じられるのか持ち上げることさえ億劫に感じ、その身体中に刻み込まれた無数の傷から血が流れ落ちていた。
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