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もう1つの影は息も上がっておらず、余裕の表情でそれを見ている。
「いつまでもつのかな?その怪我でもう十分にやったと思うよ?諦めた方がいいんじゃない?」
「・・・諦めるものか」
嘲け笑うかのような言い方に、その剣士は強い意志をこめて言い返す。
長い金髪の間から見える青い瞳は諦めの色など一切ない。
「けど、よ~く考えてごらんよ。君の仲間はみんな気絶している。あとは君1人だけ。それで、この僕に勝てるとでも思っているの?」
諭すように言うのは幼さがまだ残る少女・・・、いや女性という年には近いかもしれない。
銀髪をショートカットにしており、その朱色の瞳は危険を思わせる輝きを放っていた。
「俺は負けるわけにはいかない・・・!みんなや世界の人々のためにも!」
剣士はまだ残っている力を搾り出すように、剣を構える。
この剣士も大人びてはいるが、少し少年らしさが残っている年代だ。
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