14人が本棚に入れています
本棚に追加
/19ページ
綺麗に晴れて、青空が広がっている。
その下を6人の旅人らしき若者たちが歩いている。
「ん~!こんなにいい天気だと眠たくなってくるよ」
「お前はいつもそう言っているぞ。天気に関わらずな」
呑気にそう言うカイルにジューダスが突っ込む。
「へっ?そうだっけ?ん~・・・、寝不足かな?」
「1番早く寝る奴が何寝言を言ってるんだよ!」
とぼけたようなセリフを言うカイルの頭をロニが軽くぶつ。
その様子をリアラが楽しげに、ナナリーが呆れたように見ている。
「しっかしなぁ、この辺りで何かが落ちたって聞いたけど何にもねぇよな?」
ロニが再び目線を辺りへと向ける。
今、6人がここにいるのは宿屋で聞いた情報を確かめるためだ。
その情報とは光を放った何かがこの草原に落ちたのを誰かが見たというものだった。
「デマだったかもしれないな」
「異常とか何もないからねぇ。魔物たちも普通と変わらずだし」
「エルレインが何かやったかもしれないという考えは違ったみたいね」
リアラがホッとしたように言う。
「よかったよ・・・。これ以上、何かやられたらさすがになぁ・・」
カイルはため息を吐く。
いろいろと物事が起こり、やっとで解決へと向かっているのだ。
それを邪魔されたくはない。
「で、ハロルドは?」
ナナリーが唐突に訊く。
「何を言っている。僕の隣に…」
言いかけたジューダスも質問の意図に気付いたようだ。
先程まで、後ろにいたはずのハロルドの姿が見えない。
「虫でも採りに行ったんじゃないか?」
「虫などいなかったぞ」
ジューダスがきっぱりと言い切る。
その言い方に少しロニはムッとした顔を見せるが、すぐにまた辺りを見渡す。
最初のコメントを投稿しよう!