それは白く光る朝

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それから、オトンがつれてきた幼い頃からの入退院ですっかり顔馴染みの医者の先生が俺のベットを起こし、ちゃちゃっと診察し、オカンとオトンに何か話をするのを俺はただただぼんやりと見ていた。 肺は上から押さえつけられとるかのように重く、息を吸って吐くたびにゼィゼィと音がなる。 先生が酸素マスクを外すことはなかった。 一応は生きとるようやな…。 じゃあ、あれは夢やったんやろうか。 アヤベとかいう不気味な男が救急車ん中に現れて、そんで貴史を迎えにいくとか言い出して… そんで、俺が変わりに…。 と、そこまで思い出した俺の頭にガツンと衝撃が走った。 待てよ。 俺が生きとるっちゅうことは 貴史は………!? そういや目を覚ましてから見てない…! 俺は貴史を探そうと、角度のついたベットからさらに体を起こした。 が、全く力が入らず、またベットに体を預けるはめになった。 っくそ…! もどかしい…! その程度の衝撃にすら耐えれん俺はまたゲホゲホと咳き込んだ。 いきなり動きだしたかと思ったら咳き込みだした俺に、両親と先生は慌てて俺を起こして背中を擦った。 『どうした?一裕君。』 『ゲホッ…はぁ、は…貴、史…どこ…』 喋るだけで一苦労やな。 絞り出すように聞いたおれはまた咳き込んだ。
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