雪降る夜に

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『私は生命の契約者です。破壊もできれば創造もできる。シニガミともテンシとも呼ばれうるのです。』 『ふーん。なんやわかったようなわからんような…』 俺が納得しかけていると、アヤベがはっと何かに気づいた。 『私はこんなところで油を売っている場合ではありません!迎えにいかないと!』 それや!俺の迎えに来たわけやないとしたら、一体…… 俺はくるりと振り向こうとするアヤベの腕をがっしりとつかんだ。 『何なさるんですかっ?』 『どうゆう事やねん。俺を迎えに来たわけやないんやな?』 ともう一度確認するとアヤベはこくりとうなずいた。 『あなたが死にかけていたせいでまた間違えてしまいました。』 死にかけていたせいでって… 苦笑いする俺を気にすることなく、アヤベはさらに言葉を足す。 『それに周波数も似ているのでしょう。家族ですし。というより双子ですし。』 その言葉に俺は目をみひらいた。 『双子って…お前まさか…!』 次のアヤベの言葉で、静かだった世界がまた一層はりつめた。 『ええ。藤原貴史様をお迎えにあがります。』
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