*会いたい*

5/7
前へ
/99ページ
次へ
「ジヨンさん」 『ん?』 じっとこっちを見つめるジヨンさん。 だめ──…… 終わってしまうから…… きっともう、会えなくなっちゃうから……… 「……あのね、」 言いかけたときだった。 「ジヨン?」 可愛らしい女の子が、ジヨンさんの寄り掛かるドアの窓から顔を覗かせた。 「どなた?」 『友達』 そう言って、優しく、愛しそうに彼女の髪を撫でる。 ……───やめて やめてよ、 『可愛いだろ?』 って そんな嬉しそうな顔しないで… どんどん滲んでいく視界。 「も、遅いから切るね……?」 『ん、おやすみ。』 「……、おやすみなさい…」 そう言って電話を切ったと同時に ずるりと崩れ落ちた。 車の音が遠くなる。 「……っ……く……」 声にならない涙が溢れてくる。 .
/99ページ

最初のコメントを投稿しよう!

82人が本棚に入れています
本棚に追加