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「………も、行かなきゃ」
本当は、ずっと君のそばにいたいけど。
本当は、君を抱き締めたいけど。
君が、望むなら──………
君が、僕のせいで涙を流すなら…
「………ごめんなさい」
また、会える、かな
言いかけた言葉を
ぐっと飲み込んで、君が大好きな笑顔を見せる。
「……おやすみ」
彼女はこくん、と頷いて
僕が背中を向けると
「………さよなら」
と
呟いた。
僕は
さよならなんて
できないよ───……
冷たい雨が降る。
僕の代わりに、泣いてくれてるのかな。
まだ君を愛してる
女々しいと言われたって
この気持ちに嘘はつけない。
「………サランヘ」
君に伝えたかった言葉は
雨の音にかきけされていった。
fin
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