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素っ気ない態度で教室からひとり立ち去る椿に、汐は鼻で溜め息をこぼす。
「…またフラれたか。なぁ、毎回九条ってあぁなのか?」
「九条さん?あぁ、彼女は普段から素っ気ないっていうか、何かバリア張ってるのよね。でも知ってる?彼女、塾に通ってる訳でもないのに、学年別トップなのよ?」
「マジか!?…ん?でも、だったら何でクラスの連中は、この間のテストの時に九条に頼らなかったんだ?頭良いんだろ?」
一緒に下校しないかと誘ってきた女子クラスメイトに尋ねる牛森に、彼女は「"私目当てじゃない"ってさ」と答えた。
「私目当てじゃない?」
「そ。だから、女子の一部からは煙たがられてるみたいよ?」
「………」
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