その2

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「幸平、恐らくコイツ等が手紙に書いておった連中じゃ。」 「う、うん。」 男から目を離さないまま頷き、幸平は警戒を更に強める。その警戒する様が楽しいように、男は笑みを深めた。 「困ったものです。最新鋭の『兵器』を完成させた研究チームの筆頭が、その兵器をどこかへ隠して逃亡してしまったんですから。おまけに巧妙に情報を破棄・操作して、探し出すのにこんなに時間がかかってしまった。」 「兵器じゃと…?」 「おや、望月博士から聞かなかったんですか?」 訝しげに呟く大和田に首を傾げてみせて、口元だけで笑っている男は言い放った。 「そこにいる望月幸平君は、『コレクター』が生み出した戦闘用アンドロイド。我らの世界征服の為に、邪魔者を排除する殺戮兵器なんですよ?」 「え…」 告げられた内容に、幸平は息を止めた。 「何、それ…」 日向が掠れた声を漏らす音が、やけに響いた。 「…俺が…兵器…!?」 「噛み砕いた言い方をすれば、君は人殺しの道具なんですよ。」 「っ!!」 重ねて投げられた言葉は、幸平を愕然とさせるには十分だった。 その反応に満足したように、男は続ける。 「兵器が家庭用と偽って、よく一年も我慢できたものです。」 「そ、そんなの嘘だ!俺は…俺は兵器なんかじゃない!」 崩れ落ちかけた自分を叱咤して声を張るが、その声は震えていた。
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