ピンク色の空のようです

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(-@∀@)「空がピンク色ならいいのに。そう、それはまるで火星のように。この地球の空もピンク色ならどれほど良かっただろう。 ねぇ、そう思わない?」 一人の白衣を着た少年は少年の白衣姿が浮くような図書室でそう呟いたのだった。 少年の他に図書室には三人、利用客がいた。 私語厳禁な図書室でそんな呟きをすれば他の利用客から睨まれるであろう。 だが、誰も少年の問い掛けに反応をしめさなかった。 何故なら一人の利用客は音楽を聴きながら本を読み、一人の利用客は受験生なのだろう。有名大学の過去の英語のリスニング問題を解いていた。 一人の利用客は難しい本を読もうとして挫折したのか、分厚い古めかしい本を枕に寝てしまっていたからだ。 少年はそんな利用客達に目を向けるわけでもなく、図書室の窓から空を見ようとしたが、隣に立っている建物の灰色の壁しか見ることはできなかった。
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