第二章

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「やだ。無理。注射怖いもん」 「小学生かお前は」 「ば、馬鹿やろー! 地震雷火事親父って言うだろー!」 「いや、言うけど……。注射関係ないだろ、それ」 「大志、揚げ足取りは禁止。怖いものは怖いと言いたかったの、わたしは」 灯は澄ました顔でのたまった。 俺はそれを無視。 「とりあえず今回はさすがにシャレにならないから行っておけよ。染めた髪が一晩で戻るとか絶対おかしいから」 医者がどうこうできるかも怪しいが。 「ねえ大志」 前髪をいじりながら灯が口を開く。 「なんだ?」 「これ、どうやったら黒くなるかな」 あくまでこだわるのはそこかよ。 「墨汁でも塗るか?」 「それはイヤ!」
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