38人が本棚に入れています
本棚に追加
「やだ。無理。注射怖いもん」
「小学生かお前は」
「ば、馬鹿やろー! 地震雷火事親父って言うだろー!」
「いや、言うけど……。注射関係ないだろ、それ」
「大志、揚げ足取りは禁止。怖いものは怖いと言いたかったの、わたしは」
灯は澄ました顔でのたまった。
俺はそれを無視。
「とりあえず今回はさすがにシャレにならないから行っておけよ。染めた髪が一晩で戻るとか絶対おかしいから」
医者がどうこうできるかも怪しいが。
「ねえ大志」
前髪をいじりながら灯が口を開く。
「なんだ?」
「これ、どうやったら黒くなるかな」
あくまでこだわるのはそこかよ。
「墨汁でも塗るか?」
「それはイヤ!」
最初のコメントを投稿しよう!