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窓の外の景色も灰色のフィルターに覆われたように教室と同一色へと変貌していた。
これは夢か幻か。
どちらかであると信じたい。
「な……何だ、これは」
「これでこの場所は世界から切り取られた異空間になった。誰にも邪魔はされない」
世界から切り取られた空間?
こいつ頭大丈夫か。
だが俺もだいぶ疲れているのかもしれない。
だって視界のほとんどが灰色に見えているんだぜ。
犬猫じゃないんだよ、俺はさあ!
そんなことは置いといて。
これはなんだか不穏な空気が漂っている。
俺の生存本能が直ちに現場を撤退せよと勧告していた。
俺はくるりと方向転換して脱兎のごとく駆け出し出口へと向かった。
男が追ってくる気配がないことに違和感を覚えながらも逸る鼓動を抑え込み、扉に手をかける。
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