第三章

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「お喋りはこの辺でいいだろ? そろそろ死ねよ」 再び右手をデコピンの形にする蜘蛛男。 「……俺はまだ死にたくないんだが、どうすればいいかな」 「んー、そうだなあ。とりあえずオレに殺されればいいと思うよ?」 話通じねえ。 クソッタレ、馬鹿言うな。 死ねと言われて、はい死にますと言う馬鹿がどこにいる。 冗談じゃないぞ。 楽しいから?  そんな理由で俺は命を狙われたのか?  正体不明のびっくり人間に意味も解らず殺されてたまるか。 蜘蛛男は余裕綽々といった感じで棒付きキャンディーをレロレロ舐めていた。 俺は少しでも男から距離を取ろうと教室の後方へ駆け足で退避する。 「チョロチョロするな。鬱陶しい」
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