第四章

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次の日。 朝礼前の教室で顔を合わせた額田は何事もなかったかのように、平然とした面持ちで話しかけてきた。 「おはよう、聖沢君」 「ああ、おはよう」 比較的早めの時間帯なのでまだ登校して来ているクラスメートは少なく、教室内は閑散としていた。 津田もまだ来ていない。 あいつはチャイムが鳴るギリギリに駆け込んでくるのが常だが。 「……あのね、聖沢君」 ひっそりとした声で、顔を近づけて額田が俺に囁いた。 「言っておくけど、昨日のことは誰にも話したら駄目だからね」 学校へ来る前に風呂に入ったのだろうか。 額田の艶やかな髪から香る、ほのかなシャンプーの甘い匂いが鼻腔をくすぐった。 「分かってるよ」 言ったところで誰も信じないと思うがな。
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