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「ねえ……宵(よい)くん、ほんとにいいの?」  ――放課後の理科準備室。  薄暗い部屋の中、百キロはあろうかという巨漢の男が組み敷いた男に聞いた。  これから始まろうとしている行為に少しばかり怯えている。 「いいって言ってんだろ? 早くしろよ。外、暗くなっちまう」  長机の上に寝そべるようにして体を横たえていた男は呆れたように言い、肩より少し長めの髪をバサッと振り乱した。  それから巨漢の男の汗ばんだ手をつかみ、自分の体へと導く。薄目を開けて、その男を誘う。  日も傾きかけた夕刻、閉めきったカーテンからは微かに陽の光が透けていた。  その光は宵の白い肌を照らし出し、そのせいか、彼の肌は普段からは想像もつかないような艶を帯びている。  男の喉がごくりと鳴った。 「ほら、来いよ」  その言葉が合図になった。  宵にそっと頬に触れられ、男は宵の首筋に、噛みつくようなキスを始めた。
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