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その妙に実感がこもった言葉を気にしながら、僕は食材大量購入の理由を尋ねる。
「……おじさん、この買い物の量は?」
「食べ物は沢山あった方がいいだろう?買い物に行く手間が省ける」
「あら、まあ……」
そこへ母さんがやってきて、僕と同様に目を丸くした。
「こんなにどうしたの?」
一応律儀な面もある煌は「おはようございます」と母さんに挨拶をして、
「一日お邪魔するんで、食材くらいはこちらで用意しようと」
「気を遣わせたね、煌ちゃん。ありがとう」
母さんは苦笑いして、おじさんに向いた。
「ありがとう」
「構わないさ。このくらいしかできないから」
おじさんは俳優のように格好いい顔に、ふっと微笑みを浮かべた。
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