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少し間をとって離れる。
ヤバイな、不自然すぎる……
皆もこっち見てるしな…
しばしの沈黙
それを破ったのは……
「なんだ、殴んないんだ?」
と、笑いながら言う男。
「……名前、聞かせろ」
私がそう言うと、男はビックリしたように目を見開いている。
「木村一輝だよ」
「か…ずき…?」
どっかで………どっかで聞いた
――――――――――――
―――――――――
―――――――……
『私ね?大好きな人がいるの』
幸せそうな、儚げに笑う一人の女
『誰?』
相手の女が口を開いた
顔はぼやけてよく見えない
『私の……大事な人』
『ふぅん……恋人?』
『違うよ……一番近い存在であり、一番遠くの存在……私はその人を守りたい』
『名前は?』
顔は見えないが、なんとなく悲しい顔をしているように思える
『かず……一輝っていうんだ』
さっき、何て言った?
かずき…?え?アイツ……
それより、この会話……なんなんだよ
一輝。お前は誰だ?
私の知り合いじゃない……
記憶喪失なんてしたことない
誰か…誰かと話したような…
この会話を―――――――
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