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「むこうに……」
「むこうに?」
今、クラスの皆はこっちに注目している。
はん。コッチの可愛い私が好きか?
でも、私はこんな甘くねーよ
「むこうに…なんだよ」
まだかまだかと待ってる木村
今、テメェに尻尾が見えた。
尻尾振って………
「キモいんだよ!むこう逝け!」
さっきの甘ったるい声とは裏腹に、ものすごいドスの効いた声で叫ぶ。
この豹変ぶりにビックリしたのか、木村は目を見開いている。
「何が『なぁに?』だ。見て分かんねーの!?髪…私の髪、引っ張んな!次やったら、向こう逝ってもらう」
「じょ、じょじょじょ冗談よしてくれお前が言うとマジで冗談に聞こえねー」
木村、声震えてんじゃん。
殺っちゃおうかな
「ふぅん。冗談ね。じゃあ、試してみる?」
ズカズカと木村に近よって、髪の毛を掴む。
「お、おい」
「アンタの髪の毛どーれだ。」
クルクルと木村の髪を巻きながら鞄から出したいくつかの箱を見せる。
「それ……や、やめ……」
「ふふっ」
この後、木村の悲鳴が校内に響き渡ったことは、言うまでもない。
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