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只今、部室横にある休憩室の中にあるフロ場に、木村が連れ込まれていた。
「はぁ…はぁ…やっぱやめようぜ」
「なぜそんなに怖がる。お前、初めてじゃないだろ?」
ダメダメッ!と首を横にふる木村を睨む。
すると、「だ、だってさ?初めては、自分の意思でやったから…」と涙声になりながら訴え始めた。
「う…るさいわ!さっさとフロ場に行けッ!」
あまりに煮え切らない態度に嫌気がさし、木村の座っていた椅子を蹴る。
「おわっ……え、だってさ?イヤ、この色はちょっとぉ…」
木村の指差す先には『髪染め・ヘアカラー』と書かれた箱がある。
「いいから…行け!」
「はいぃ……あのぉ、一時染め……とか、ダメ…?」
「ダメだ。シャンプーですぐ落ちちゃうだろボケナス」
早く行け。と手をヒラヒラさせると、木村は「俺のオレンジ色の髪が…」と、ブツブツ言いながらフロ場に歩いていった。
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