蒼と白が出会うとき

3/6
19人が本棚に入れています
本棚に追加
/8ページ
ふと、顔を上げてみると時計が午後11時を示していた。 「そろそろ来るかな……?」 そう呟きながら窓に目を向ける。 すると見計らったかのように窓の向こうを白いランエボⅤが走り抜ける。 「今日こそ……」 知らず知らずのうちに独り言を呟きながら、私はガレージへと向かう。 私の家の近くには、伊吹峠と言う峠道がある。 多分だが昔よく見ていて、最近になってまた姿を現したランエボもそこに行っているのだろう。 私はISに乗り込み、伊吹峠へと向かった。 伊吹峠には既に何人かの人がいた。 何回かこの峠に来たことがあったが、その時は人っこ一人いなかった。 私は適当な所に車を止め、話しかけてみることにしたが………… 「あれ?見たことない人だ。ここは初めて?」 意外な事に、向こうから話しかけてくれた。 「い、いや何回か来たことあるんですけど、その時は人がいなくて……」
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!