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「あ、あれ……?引き離れてる……?」
さっきまでは直線で離される事はなかったが、ここにきて徐々に離されるようになってきていた。
ランエボは走り方までも変えてきた。
「えっ……嘘……」
さっきまでグリップで走っていたのに、いきなり激しいドリフトへと切り替えた。
しかも明らかにコーナーリングスピードが上がっていた。
「けど……ようやく一緒に走れてるんだ……おいて行かれる訳には行かない……!」
IS Fも必死に食らいつく。
しかし、車重が意外とあるIS Fでは、次第にコーナーで離されていく。
「お願い……もう少し……もう少しだけ……」
IS Fも最後の足掻きを見せるが、終始ランエボのリアを眺めていただけであった。
「………負けちゃった……」
麓ではランエボが既にとまっていた。
鷹津さんはランエボにもたれ掛かって、タバコを吸っていた。
「あっ……鷹津さ……ごほっ……」
「あ、タバコ苦手か?すまんな。」
そう言ってタバコを携帯灰皿につっこんだ。
「すいませっ……ごほっ……私、昔から体が弱くて……」
少し咳き込みながら答えた明日香であった。
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