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「ここが屋上…………だよね?」
息を乱しながら、屋上の扉の前で足を止めた。
終………後で何かしらの罰が必要だな。
息を整え、扉をゆっくり開いた。
開けた瞬間、風が押し寄せ思わず後退りをする。
だが、俺は強い風が吹いたことも気づかず、ある一点をただ見つめていた。
「未夏さん?」
思考が今の状況を把握する前にそんなことを口走った。
そこにはなびいた髪を手で抑え、1人たたずむかなり小柄な女の子………
加賀屋 未夏さんがいた。
『何でここに?』そんな疑問が脳を駆け回り過ぎたのか、何も考えられず、その場で棒立ちになる。
未夏さんと目が合った。
心臓が今までに無い程高鳴った。
外は風などでまだ肌寒いのに体はこたつの中にいる様に熱い。
まずい…………いざ、こんな状態になったら何を話したらいいのか分からない。
終め、マジ後で覚えてろよ!
お互いが見つめ合う時間がただただ過ぎる。
刹那、未夏さんが俺の方へ歩いてきた。再び心臓が高鳴る。
え、ちょ!!来る!?こっちに!?何で!?嬉しいけども!!!でも何故に!!?
内心パニックの俺を横に、遂に未夏さんが目の前で足を止めた。
近くで見ると本当に可愛い。抱き締めたいけど俺にはそんな勇気ありません。
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