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俺はそういうわけで未夏の家へとやって来た。インターホンを鳴らすとすぐに彼女が現れた。
ガチャ
扉が開くと同時に俺の腰周りに激しくダイブをしてきた未夏。あぁ^~可愛いんじゃ^~
「おはよう。そして誕生日おめでとう。準備できてる?」
首をコクコクと頷く。今日の未夏の服はパステルカラーのワンピースにカーデガンを羽織っていてすごく新鮮味があった。
「今日は正直どこに行こうと決めてるわけじゃないんだけどさ。大丈夫かな?」
これも頷く。とはいえ本当は行く場所はある程度決まっているのだ。
午前中はブラブラするつもりなのだが、午後は詩歌が教えてくれた未夏が喜ぶ場所へ行くつもり。だがその場所………
そんなことを考えながら2人で歩いていると、前方にとある人を発見した。
「ん?君は………確か相瀬くんだったか」
「藤田先生おはようございます。今日はおでかけですか?」
「うん、私にはあいにく君のような可愛い恋人はいないものでね。1人でお散歩さ」
くっくっく、と含み笑いをしながら俺らを見つめる藤田先生。ちなみに俺の顔は少し赤く、未夏は俺の後ろに隠れるように顔を隠していた。
「すまない。少し冗談が過ぎたな。ところで最近観月くんは元気か?」
「いやもう本当相変わらずですよ。教室には来てないんですか?
」
「ああ。最近またサボり気味でな。このままでは進学が本当に危ういんだが………去年は私が何とか周りに説得してギリギリ進学できたんだ」
そんな壮絶なことが………。いや待った。萌芽はここ最近学校に来てたはずだ。確かに昼過ぎや授業終わりなどの時間だけど。それを先生が知らないのか?
そもそもその時間来て教室に入らないなら、なんのために学校へ来ているんだろう?
「君からも学校に来るよう説得して欲しい。私が直接彼女の家に行くのは禁止されてるからね」
「禁止……?まぁ、はい。分かりました」
「それではデート楽しんでくれ」
藤田先生は去って行った。萌芽は未だ俺たちに何かを隠し、不登校を続けている。それを探らないといけないな。
「立ち話しててごめんね。じゃあ行こうか」
コクコク
可愛らしく頷き、俺たちはまた歩き出した。
「未夏はどこか行きたい場所ある?」
「………。ぶっくすとあ?」
「何故に疑問系。そして何故英語」
とりあえず本屋に行こう。
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