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はぁはぁ………あまりの衝撃に思わず1ページまるまる使ってしまった。まるで頭おかしい奴じゃないか俺は。
お、おおお落ち着け!ま、ままままだあわわわわあわわあわあわわわてる時間じゃなななななななななな ry)
結局落ち着いたのは5分後だった。
俺はなに食わぬ顔で店に入るとまだ2人は抱き合っていた。
「?、やぁいらっしゃい。あ、すまないね。未夏少し離れてくれないか?」
その少しぽっちゃりしたおっさんは未夏に優しく問いかけるようにそう言った。未夏はゆっくりと離れ、今度は俺のもとへとやってきた。
クイクイと袖を引っ張る未夏。
「な、なに?」
これから修羅場が始まる。俺の未夏への思いを込めたバーニングラブを撃ち込んでやる。
おれが臨戦体勢のため腰を落とした瞬間、未夏が俺の腕に抱きつき笑顔でこう言った。
「おとーさん!しょーかいする。わたしのだんなさんのきょーすけ!」
「「………………え?」」
俺とおじさんの声が綺麗にリンクした。
え、このおじさん………未夏の…………パピ上様………?
浮気じゃなかったとの安心とともに今度はすさまじい汗の量が俺を襲った。
「?、きょーすけ。あついの?」
きょとんとした表情で首をかしげ上目遣いで俺を見てくる。ああん可愛い!けどそれどころじゃない!!
今未夏は俺の目の前にいるおじさまに、お父様に俺のことを『旦那』さんと紹介した。
これは俺の聞き間違いではないだろう。現にお父様も完全フリーズしてるんだから。
お互い見合った状態で俺とお父様の顔が固まっていたが、やがて顔マネしているようにお互い作り笑いを浮かべ………
「「こ、こんにちは………」」
こうして俺は未夏のお父様と初対面を果たしたのだった。
「いや~びっくりしたよ。未夏はまだ高校生のはずなのに恋人じゃなくて旦那さんと言ったからね。まさかでき婚なのかと疑っちゃったよ~」
ハッハッハと笑うお父様の冗談は俺には心底つまらなく感じるシロモノだった。
正座をした俺の隣に未夏も正座をして、お父様と向かい合っている。渇いた唇を舐めて俺は深呼吸をした。
「あ、改めて自己紹介させてください。俺の名前は相瀬 京介と言います。か、加賀屋未夏さんと清い交際をさせてもらってます!はい!」
俺の自己紹介にお父様は吹き出した。
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