はっぴー ばーすでぃ!

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ここからの展開はいかにも普通で、型にはまったかのような誕生日会となった。とマイナス的な表現をしたものの、俺としてはとても楽しかったし、未夏も同様であろう。 楽しかった。美味しそうな料理が並び、手作りケーキにロウソクが灯りそれを消す。 そして談笑を交え(俺が主にいじられる)親たちからのプレゼントをもらった未夏が抱きついた。 中身はあとで見るんだと。 こうして現在俺たち友達組みは席を移動し未夏の部屋へとやって来た。そこで行われるのは萌芽持参のLIFEゲームというやつ。人の一生を描くすごろくみたいなものだ。 人生ゲーム?パクリ?はて、なんのことだろう? 俺、未夏、終、詩歌、萌芽の5人でやった。まずは未夏から。主役から始めるのは当然だろう。 最初は子供が生まれる環境がルーレットで決まる。裕福が8~10、普通が4~7、貧困が1~3の3つに分かれる 「いっけ~!未夏!」 詩歌の声に鼓舞されるように勢いよくルーレットを回す。出目は10だ。 「くっ、これが誕生日補正ですか……」 萌芽の戯れ言に未夏が親指を突き立てる。相当テンションが高いみたいだ。 結果1巡目で全員の環境が決まった。他は俺と萌芽が普通、詩歌が裕福、そして終のみが貧困……ププ、日頃の行いが表れているぞ終よ! ちなみにこの環境がお小遣いマスでの貰えるお金に変化がある。さらにマスによってそれぞれの環境で効果が変わったりする。 ここから学生ルートに進み、就職活動まで進んだ。そこで、ある変化が起きていた。 「…………」 詩歌と俺は共に沈黙。何故なら詩歌は出目が良すぎて職に就けず、フリーターコースへ。そして俺は高校まさかの中退。職業コースを飛ばされ同じくフリーターコースになった。シビアすぎない?そして偏見すぎるんじゃないでしょうか? 「ふっふっふ、僕は晴れてアイドルになれました!サインが欲しければ今のうちですよ!お2人とも!いずれ高値が付きます。これを今後の足しにしてください」 哀れみを含む優しげな顔でさっき書いてたサインを俺と詩歌に渡す萌芽。むかつく。 未夏は政治家への道へ。無口なロリ政治家が今後どうなるか見所である。 一方終はとんでもないことになっていた。貧しい環境から涙ぐましい努力により、高校飛び級でまさかの海外へ。そこでハリウッドスターへと返り咲いた。 「これが本当の誕生日補正さ」 いや、君誕生日違う。
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