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5月の上旬。中学校から高校デビューを果たし、約1ヶ月が経過。
そして1年の教室に集まって何やら話をしている男が2人。
その内の1人が俺、こと相瀬 京介(アイセ キョウスケ)。
見た目、普通
頭脳、普通
総合スペック、普通
と何の面白味のない高校生だ。
「今日こそ俺は例の少女に告白してみせる!!」
椅子から立ち上がり前にいる男に意気込みを述べた。
「彼女と目が合うだけでフリーズする奴なんかが喋れる訳ないよ」
目を合わせずポッキーを食べながら呟くこの優男は高校に入ってから知り合った新友の四条 終(シジョウ シュウ)だ。
席がたまたま隣で、それからすぐ意気投合した。
「だけど今回こそは絶対にきっかけを作ってやる」
「そのセリフも何回聞いたことか…………」
終はため息を吐いてポッキーの箱を知らない生徒のバッグにそっと入れた。
…………なにやってんの?
「………で、今日も京介は彼女をストーカーするのか?」
「失敬な、毎日ストーカーしてるみたいに言うなよ。てゆうか今まで1回もしたことないし」
自分の名誉の為にもう一度言うけど、1回もストーカーなんかしたことありません。
手に持っていた昼食のパンの袋を終のバッグの中に入れた。
むくいを受けな。
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