あたしと兄貴の仲がいいわけがない

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出かける準備が終わり、今から出発だ 「……よし。」 バックの中身の確認を終えて玄関に向かった その時 どん。と玄関付近で兄貴とぶつかった この場所ではよく接触事故が起こる 衝撃自体は大したことは無かったが、その拍子にあたしの手からバッグが落ちた 「あっ……」 「お、悪い」 ぶつかった事を詫びた兄貴が床に散らばった化粧品などを拾おうとしたが…… ぱしっ。っとその手を払った 「なっ」 そう声を出した兄貴を睨み付けてこう言った 「……いいから、さわんないで」 そう告げ、バッグの中身を一人で拾い集めた 「………………」 何も言わずに兄貴は立ち尽くしていた 気まずい空気が漂う あたしは兄貴に背を向け、パンプスを履き、 「………いってきます」 とだけ言って、バタンと強く扉を閉めた
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