第1章「恐怖」

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私は音のする方へ向いた。 部屋に入ってきたのは、 看護師だった。 「検査の時間ですよ。」 看護師はニコッと笑い、言った。 「コツ…コツ…コツ…。」 看護師はゆっくりこちらに向かってきた。 そして隣のベッドに座った。 「また、眺めてたの?」 この看護師は、 私が入院の初めからお世話になっている人だ。 だから、窓からいつも見ていることを知っている。 「はい…。」 私は、そう答えた。 「実は、検査なんてウソなの…。」 私はびっくりした。 いつもなら、検査の時間だからだ。 「…えっ?」 なら、なんだろう。 なんで嘘までついて…。 そう思ったときだった。
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