ある日のこと 〈美加〉

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「……失礼します」 はっきり言って関わりたくない。 そんな気持ちの美加は、つかつか、と歩きだす。 後ろで浅井が何か言っているようだがどうでも良い。 玄関にちょうど着いた頃に本鈴が鳴りだした。 「やばっ…」 途中まで足を走らすが、途中で失速。 (ま、いっか) どうせ間に合わないのだから走っても意味がない。 足の方向は変わり、向かうは茶道室。 (そろそろ出ないと、欠点なりそう……) 考えつつも、やはり向かう先は変わらない。 しかし。 授業中にもかかわらず、廊下から笑い声が聞こえてきた。 (また、か……) 目が合わないように、少し目線を下げる。 前の方から、笑い声と共に数人の男子がやってきた。  
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