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「はいはいはい、何回も聞いたから、それ」
お菓子を口にくわえて、いかにも面倒臭そうにため息を吐く、親友の夏美(ナツミ)。
でもそんなのは関係ない。
私は再び口を開く。
「女の子みたいに綺麗なお顔にさらさらの銀髪……しかも成績も良い方だしスポーツもできる! あぁ……まさに王子様みたいな存在だわ……」
「王子様ねぇ……確かに見た目はかっこいいと思うけどさぁ、あのド派手な銀髪はただのヤンキーでしょ」
「わかってないなぁ夏美は! あの銀髪こそ王子様の証なのに! そう、まさに日本離れしたプリンスって感じだよっ」
「……ごめん、春菜(ハルナ)の趣味はよくわからないわぁ」
夏美は私の王子様、世良冬樹(セラフユキ)君のことをあまり良く思っていないようで、彼に対する私の盲目ぶりを呆れたような目で見てる。
それでも、いつも私の話を笑って聴いてくれるから、夏美は私の大切な親友。
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