第一章

3/19
前へ
/19ページ
次へ
「はいはいはい、何回も聞いたから、それ」 お菓子を口にくわえて、いかにも面倒臭そうにため息を吐く、親友の夏美(ナツミ)。 でもそんなのは関係ない。 私は再び口を開く。 「女の子みたいに綺麗なお顔にさらさらの銀髪……しかも成績も良い方だしスポーツもできる! あぁ……まさに王子様みたいな存在だわ……」 「王子様ねぇ……確かに見た目はかっこいいと思うけどさぁ、あのド派手な銀髪はただのヤンキーでしょ」 「わかってないなぁ夏美は! あの銀髪こそ王子様の証なのに! そう、まさに日本離れしたプリンスって感じだよっ」 「……ごめん、春菜(ハルナ)の趣味はよくわからないわぁ」 夏美は私の王子様、世良冬樹(セラフユキ)君のことをあまり良く思っていないようで、彼に対する私の盲目ぶりを呆れたような目で見てる。 それでも、いつも私の話を笑って聴いてくれるから、夏美は私の大切な親友。
/19ページ

最初のコメントを投稿しよう!

12人が本棚に入れています
本棚に追加