放課後

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「……魅力的だと思うわ。他人と違う存在には、なかなか為れないから」 「じゃあ、俺は希少種なのか」 「"私たち"よ。そしてユニーク……」 天草は噛み締めるように呟くと、多分、今日初めて外を見た。 「……もうすぐ卒業ね」 「……そうだな。早いもんだ。入学式に体育祭に文化祭にハロウィンパーティーにクリスマスパーティーに修学旅行に……思えば色んな行事がいつのまにか過ぎてた」 「そうね。過ぎてた。なにもかも。……チャンスも」 「え?」 語尾が聞こえず聞き返すと、天草はブンブンと首を振ってロングの黒髪を乱れさせる。 だが彼女は構わずそのまま窓の外を眺め続けると。 「……!」 今まで。本当に今まで見たことがないほどに大きな黒目を輝かせて感嘆の声を上げた。
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