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卒業間近の高校3年の時、両親が事故に巻き込まれ揃って他界した。
通夜の時、私は両親の位牌を見つめていた。
当時高1だった妹の三咲に「お姉ちゃんはなんで泣かないのっ!?悲しくないの!?冷たいよ!!」と悲痛な声でなじられた。
それでも私に、涙はなかった。
中学2年の弟の勇は、永眠についた両親の棺桶の傍にずっといた。
二人が寝付いた頃、親戚のおばさんが私にこれからどうするのか聞いてきた。
ふん、親戚で固まって私達をどうするか腹の探り合いをしてたクセに。
私は既に腹をくくっていた。
だからこそ、涙も出なかった。
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