強がりと涙~姉~

2/9
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/11ページ
卒業間近の高校3年の時、両親が事故に巻き込まれ揃って他界した。 通夜の時、私は両親の位牌を見つめていた。 当時高1だった妹の三咲に「お姉ちゃんはなんで泣かないのっ!?悲しくないの!?冷たいよ!!」と悲痛な声でなじられた。 それでも私に、涙はなかった。 中学2年の弟の勇は、永眠についた両親の棺桶の傍にずっといた。 二人が寝付いた頃、親戚のおばさんが私にこれからどうするのか聞いてきた。 ふん、親戚で固まって私達をどうするか腹の探り合いをしてたクセに。 私は既に腹をくくっていた。 だからこそ、涙も出なかった。
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!