告白

8/8
前へ
/8ページ
次へ
おれはどうしていいかわからずに、エリカの話しに耳をかたむけていた。 「ずっと、言おうと思ってた。でも、言えなかった。怖かったの」 そこでおれは口をひらいた。 「怖かった?」 「うん…。告白したら、この関係が崩れちゃうんじゃないかって……。ふられるんじゃないかって………」 エリカはいまにも泣きそうな声だった。 心なしか肩も震えている。 おれの覚悟は決まった。 おれはエリカをそっと抱き締めた。 「っ!コ、コウちゃん!?」 エリカは驚いているが、今はいい。 おれは語りかけるように言った。 「おれたちは幼い頃からいつも一緒だったよな」 「うん」 「おれが辛い時や悲しい時は、いつもエリカに元気づけられた」 「けどお前はおれの前だといつも笑顔だった。けっして弱みを見せなかった。それは俺が頼りなかったからだ。けど、これからは違う。おれ…頑張るから……。だから……」 おれは意を決して伝えた。 「これからも、おれのそばにいてくれ。エリカ」 「ありがとっ……コウちゃん…!」 エリカは嬉しそうにうなずいた。 空では雪が街灯の明かりを受けて、きらきらと瞬いていた。
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加