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おれはどうしていいかわからずに、エリカの話しに耳をかたむけていた。
「ずっと、言おうと思ってた。でも、言えなかった。怖かったの」
そこでおれは口をひらいた。
「怖かった?」
「うん…。告白したら、この関係が崩れちゃうんじゃないかって……。ふられるんじゃないかって………」
エリカはいまにも泣きそうな声だった。
心なしか肩も震えている。
おれの覚悟は決まった。
おれはエリカをそっと抱き締めた。
「っ!コ、コウちゃん!?」
エリカは驚いているが、今はいい。
おれは語りかけるように言った。
「おれたちは幼い頃からいつも一緒だったよな」
「うん」
「おれが辛い時や悲しい時は、いつもエリカに元気づけられた」
「けどお前はおれの前だといつも笑顔だった。けっして弱みを見せなかった。それは俺が頼りなかったからだ。けど、これからは違う。おれ…頑張るから……。だから……」
おれは意を決して伝えた。
「これからも、おれのそばにいてくれ。エリカ」
「ありがとっ……コウちゃん…!」
エリカは嬉しそうにうなずいた。
空では雪が街灯の明かりを受けて、きらきらと瞬いていた。
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